刷毛塗り用のつや有り塗料はありますか?
Q.つや有りにできますか?
A.つや有りの塗料はお作りできますが、刷毛塗り全塗装ではつや有り塗料をおすすめしておりません。
「つや消しはメンテナンスが大変そうなイメージがある...」「好みでつや有りにしたい!」という方からこのようなお問合せをよくいただきます。
またつや有りにしたい方からよく似た疑問・質問を定期的にいただきます。
・つや有りの塗料で塗ればつや有りになりますか?
・最後にウレタンのクリアを塗れば(吹き付ければ)きれいなつや有りになりますか?
・水性を塗った後に水性のつや有りのクリアを塗ればつや有りになりますか?
・完全に乾燥させてからラッカーのクリアを塗布しても大丈夫なのでしょうか?
このページではこれらの疑問を解消できればと思います。
なぜ刷毛塗り全塗装の塗料はつや消しなのか?
まず前提として刷毛塗りやローラー塗りで塗装する場合、ムラができます。
当店で取り扱っている塗料はつや消しの塗料なのでムラが目立たず、初心者の方でも気軽に塗ることができます。
「つやのある状態」と「つやのない状態」は下の図のように光の反射が異なるため、ムラの立体感(凹凸感)が違って見えます。
つやのある状態
光がでこぼこの通りに反射してしまい、立体感が見えてしまう。
つやのない状態
光がいろんな方向に反射し、立体感がなくのぺっとした印象になる。
平らな面につや有り塗料とつや消し塗料をローラーで塗って見え方による比較実験をしてみました。
つや有り塗料で塗った部分は表面が光がそのまま反射して凸凹が目立つのに対し、つや消しの部分は光が色々な方向に反射するため、刷毛やローラーの凹凸が目立ちにくくなっています。
なぜムラが目立たない?についてさらに知りたい方は
コチラをご覧ください。
つや有りのクリアを塗るとどうなるか?
刷毛やローラーで塗装した上につや有りのクリアを塗った場合、つやは出るかと思います。ですが、刷毛やローラーで塗った時にできた凹凸(刷毛ムラ、ローラームラ)が目立ってしまいますのでおすすめはしません。
ではつや有りにしたければどうすればよいのか?
つや有りにしたい場合は、自動車板金工場のように下地色からスプレーガンでの吹付塗装で塗る必要があります。
その場合、マスキングと下地処理の徹底。さらに、塗料の飛散に細心の注意を払い、無風の場所で塗装する必要があります。
吹付塗装の注意点についてさらに知りたい方は
コチラをご覧ください。
つや有りにする場合、水性塗料も可能か?
結論から言うと、当店の水性塗料はスプレーガンでの吹付塗装でつや有りに塗装するのには向きません。
なぜかといいますと、レベリング性といって平らになる力が板金塗装工場で塗る塗料に比べて弱く、凹凸ができてしまいます。また当店の水性塗料にはクリアの設定がありません。
でもつや消しはメンテナンスが大変だと聞くので二の足を踏んでいる
刷毛塗り全塗装した車は「自分で」「ほぼ1日で」塗った車になるので、純正設定で塗装された新車のような車や、板金塗装工場で何十万もかけて塗装した車と同じ状態ではないと考えています。
傷がつけば再度「自分で」またはちょっとした補修なら「1時間ほどで」解消できるものです。
洗車においてもそれほど汚れなども気にならなくなり、つや消しなので劣化も早いですが「自分で」「ほぼ一日で」塗りなおせば良いものです。
ですので今まで通りの洗車や大事に傷がつかないように、とするカーライフが、「汚れたり傷ついたらまた塗ればいい」というカーライフに変わる、と考えていただければと思います。
まとめ
当店で扱っている刷毛塗り全塗装用の塗料はつや消しが基本です。
「刷毛とローラーを使って誰でも簡単に、車をDIYで全塗装できるように」 というコンセプトでつや消し塗料を販売しております。
ピカピカのつや有りにする吹付塗装は一般の方が手を出せるものではなく、機材も、場所も、練習も必要になってくるので、当店では一般の方へは推奨しておりません。
「自分たちの手で、大らかな気持ちで全塗装し、一味違うカーライフを楽しみたい」 こういったお気持でご納得いただいた上で、ぜひつや消しマットの刷毛塗り全塗装にチャレンジしてみてください。