凹凸(ゆず肌)や塗料の垂れ、塗り跡を残さないための対策と、
出来てしまった時の対処法
車の刷毛塗り全塗装で暖かくなってきた時期のトラブルの中に、車の表面がデコボコとした状態になってしまう
「ゆず肌」というものがあります。
「夏場に車を塗装したら、表面が凸凹になってしまった」
「塗料が垂れたまま固まってしまいどうしたらよいか分からない」
「刷毛の跡がきつく出てしまい、そのまま乾いてしまった」
というお声をいただきます。
ゆず肌や塗料の垂れの原因
ゆず肌の原因は、気温が高く、早く乾きすぎてしまっていることが挙げられます。
当店の車用塗料はもともと乾燥が早く、中でも2液ウレタンとラッカーは乾燥がとても早いです。
気温が高いとローラー目や刷毛目の山が表面張力で収まる前に乾燥してしまい、そのムラがとても目立ってしまいます。
また塗料を分厚く塗り過ぎた、塗料を薄めるために入れたうすめ液が少なすぎたことも原因に挙げられます。
車をうまく全塗装するためのポイントとして「薄く塗り重ねていく」ことが重要になってきます。
ローラーでたっぷり塗料を塗ってしまった時、垂れや凹凸に繋がりやすくなります。
また、塗料を薄める際に使用したうすめ液の量が足りなかった場合も、 ローラーや刷毛で塗った際に塗料の伸びが悪い上に早く乾いてしまい、結果として表面が凸凹になりやすくなります。
では、そうならないための対策と、もし凹凸等が出来てしまった時の対処法をご紹介いたします。
未然に防ぐための対策
■適量、あるいは適量より少し多めにうすめ液を入れて薄める
当店の車用塗料を購入されるお客様はほとんどが、扱いやすい「水性塗料」を選ばれます。
「なんとなくいけそうだから薄めなくてもいいや」と原液で塗らずに、水性塗料の場合は塗料に対して10%〜15%程度の水を入れて、カスカスに塗り広げていくというのを繰り返します。
ラッカーなら100%程度、2液ウレタンなら30%程度を目安にします。
■乾燥の遅い希釈剤を使用する
水の薄めすぎによるムラを防いだり、乾燥を遅くすることで塗り跡を防ぐ効果がある水性塗料専用のうすめ液「
バランサー」を使用するのもおすすめです。
当店では、乾燥が早くなる夏だけでなく、年中を通してこのバランサーを使用し全塗装しています。
油性のラッカーと2液ウレタンそれぞれにも、「リターダー」という乾燥を遅くするシンナーがあります。
そのシンナーをラッカーシンナーや2液ウレタンのシンナーに少量(5%程度)添加すると乾燥を遅らせることができます。
バランサーはこちら>>
ラッカーリターダー商品はこちら>>
ウレタンリターダー商品はこちら>>
■カスカスに塗り重ねる
多めにうすめ液を入れて薄めて、さらにカスカスになるように薄く塗り広げます。
一気に色を付けようとせずに、ローラーの中の塗料をすべて絞り出して、多くつきすぎたところはそのローラーで吸って伸ばすようなイメージです。
凹凸等が出来てしまった時の対処法
■塗料が乾燥した後、気になる部分をサンドペーパーでヤスリがけして平らにし、拭き取ってから塗り直す
塗料は一度乾いてしまうと修正が効かないと思われている方が多いかもしれませんが、乾燥後でも十分手直しは可能です。
まずは、気になる部分がしっかり乾燥しているのを確認してから、サンドペーパーでヤスリがけして凸凹を平らにしてください。
出た粉を布で優しく拭き取り、毛足の短いローラーもしくは刷毛で上から薄く塗り直します。
塗り直しの際のポイントは、上から塗り直す用の塗料を適量のうすめ率よりも少し多めに薄めてから塗る事です。
動画でも詳しくご説明しています
夏場など、気温が高くなると塗装の難易度は上がります。
真夏に対策せずに塗装すると塗装面はどうなるのか、上記の対策でどう変わるのか、動画で詳しく解説しております。ぜひ参考にしてください。
対策と対処法を理解して車の全塗装を楽しんでください
車の刷毛塗り全塗装、初めての方はやはり不安になると思いますが、
しっかりポイントを抑えれば、どんどん綺麗に仕上がる様子を楽しんでいただけます。
また、お客様からいただいた多数の塗装事例を掲載しています。
車種名・メーカー名から絞って検索もできますので、是非参考にしてください。
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