なぜ車の色褪せが起こる?色褪せが起きたらどうすればいい?


昔から「赤い車は色褪せしやすい」というのが常識でした。
看板などでも赤い文字だけ色褪せてしまって重要なところが読めない、なんていうこともありますよね。
赤は紫外線を吸収しやすいため、他の色に比べるとより褪色が早いのです。

しかし現在ではマツダがイメージカラーにレッドを使っているように、赤でも紫外線によって褪色しにくい(色褪せしにくい)ものが登場しました。
それだけ強い色が開発されてきたのです。

ここでいう「色」とは「顔料」のことを指します。
塗料は「樹脂」と「顔料」で構成されているのすが、樹脂は(ほぼ)透明なものです。
一方顔料は2種類あり、色を出すための「着色顔料」と、粘度を上げたり厚みを持たせるための「体質顔料」があります。
さらに色を現す「着色顔料」は2種類あり、「無機顔料」と「有機顔料」があります。
 

無機顔料とは?

一般的に「無機顔料」は太陽光線などの紫外線に強く(色褪せしにくい)、無彩色や低彩度色が多いです。

例)
  白   チタン白
  黄色   チタン黄
  黄色酸化鉄(イエローオーカー)  
  黄鉛
  橙   クロムバーミリオン
  赤   赤色酸化鉄(べんがら)
  青   群青
  紺青
  コバルトブルー
  緑   複合酸化物グリーン
  酸化クロムグリーン
  黒   黒色酸化鉄(鉄黒)
  Fe.
  Mn系複合酸化物
  カーボンブラック
  その他    メタリック顔料
  パール顔料
  防錆顔料
  艶消し顔料

などがあります。
 

有機顔料とは?

「有機顔料」は紫外線に弱い(色褪せしやすい)傾向があり、鮮やかな色が多いです。

例)
  黄   モノアゾイエロー
  ジスアゾイエロー
  ポリアゾイエロー
  ベンズイミダゾロンイエロー  
  イソインドリノンイエロー
  キノフタロンイエロー
  橙   モノアゾオレンジ
  ジスアゾオレンジ
  ベンズイミダゾロンオレンジ
  ペリノン
  赤   モノアゾレッド
  ポリアゾレッド
  キナクリドンレッド
  ナフトールレッド
  ベリレン
  アンスラキノニール
  ジケトピロロピロール
  紫   キナクリドンバイオレット
  ボンマルン
  ジオキサジンバイオレット
  青   フタロシアニンブルー
  インダンスレンブルー
  緑   塩素化フタロシアニングリーン  
  臭素化フタロシアニングリーン  
  その他     蛍光顔料

さらに有機顔料中でも特に褪色しやすい色があります。
その一つが蛍光顔料ですが、屋外で蛍光や蓄光などの色は見たことがないかと思います。それらの色は1カ月もすれば色褪せて見えなくなってしまうので、屋外での使用には向きません。
厳密にいえば使ってもいいのですが、すぐに色褪せてしまいますし、それでもいいと割り切れるほど安いものではないのが実際のところです。
     

無機顔料の「黒」が色褪せが起こりやすいのはなぜ?

無機顔料より有機顔料が色褪せしやすいと前述しましたが、黒は無機顔料なのに色褪せが起こりやすいと言われています。
その原因は「黒は紫外線や赤外線を吸収しやすいから」です。
他の色は反射がある程度あるのですが、黒は光を吸収します。ですので他の色より劣化が早くなる傾向があります。

さらに、光を吸収するので表面温度が熱くなりやすい、というのも遠因としてあります。
「熱くなる→冷める」を繰り返すと顔料や樹脂の劣化が早くなり、褪色やクリアはげの原因にもなります。
 

色褪せには紫外線が深く関係している


こちらの車の色褪せですが、ツートンカラーかのように色がパキっとしている部分とグラデーションになってしまっているところがありますよね。
なぜこうなってしまったのでしょうか?

こちらのお車は元は赤っぽいメタリックだったんだと思うのですが、天井とボンネットがほとんどシルバーになってしまっています。さらにクリアはげも出てきています。
これは、赤メタリックの赤(有機顔料)が色褪せてしまい、シルバー(無機顔料)だけになってしまっている状態です。
天井とボンネットは太陽光が当たる率が高いですし、さらにボンネットはエンジン自体の熱もよく当たるので余計に劣化が早くなります。
 

バンパーとフェンダーで色褪せ方が違うのはなぜ?その1:塗装方法や環境の違い

次にバンパー部分とフェンダー部分を見てみると、違う色褪せの仕方をしています。
これには金属であるフェンダーと樹脂であるバンパーでは塗り方が違う、という問題が関わっています。
違う塗料が違う方法で塗られているのです。

まず、金属であるボディ部分は電着塗装という方法で塗装します。
電着塗装はボディに電気を流して塗料のプールに浸けたり、塗料を吹き付けて電気の力で均一になるように塗装します。
そして最後にボディを焼き、塗装を定着させます。

対してバンパーは電気が通らない樹脂で作られているため、静電塗装という方法が取られます。
こちらは樹脂パーツに静電気を発生させて均一に塗っていく方法です。
また樹脂パーツは熱をかけるとゆがんだりしやすいため、熱をかけずに常温乾燥(とはいえ多少の熱をかける)をします。

そして最たる違いはフェンダーなどのボディはメーカーで塗装をして、バンパーなどの部品は下請け工場で塗装をするという点です。
近年の車の塗装はほとんどがパールかメタリックですが、これらの顔料は丸い粒ではなく、板状だったり鱗片状だったりするため、吹き付けのやり方次第で立ったり寝たりします。
それだけで色が違って見えるので、塗る環境や人、機械によっては色が変わって見えてくるのです。

このように、フェンダーとバンパーでは塗ってる塗料や方法、さらには人も場所も違います。
もちろんメーカーも色を合わせる努力をしているのですが、人間の目はかなりシビアに色を見分けることができるので、それらの違いが見えてしまうのです。
 

バンパーとフェンダーで色褪せ方が違うのはなぜ?その2:経年劣化

経年劣化で色が変化する理由の1つ目は、素材自体の色が関係しています。

フェンダーの素材は金属ですが、バンパーの素材はPPやABSの場合が多く、元々の色が黒い樹脂だというのが関係していると言われています。
金属の場合は塗料の膜で反射しきれなかった赤外線が素地の金属によって跳ね返されます。
黒い樹脂の場合は赤外線を吸収し、表面温度が上がりやすいです。塗膜は温度の上昇により劣化のスピードが早まるので、それによって色褪せが起きやすいのです。

もう1つの原因は、樹脂バンパーの中に含まれる可塑剤が関係しています。
可塑剤とは樹脂パーツを柔らかく保つための添加剤です。その可塑剤が塗料の膜に移ってくる場合があり、それにより塗料の膜(=色)が変色する原因になります。
 

車が色褪せてしまったらどうすればいい?


 
たびたびでてくるこの写真のお車は、おそらく赤の顔料が熱によって褪色しているのですが、日当たりの強いボンネットと天井の劣化が著しく、さらにフロントバンパーは熱の吸収により色が変わってきているのではと推測されます。

こんな風に色褪せてしまう前に、コーティングやワックスで保護をすると良いと提案しているウェブページがよくありますが、数ミクロンにも満たない膜に赤外線や紫外線を防止する効果はそんなにないと思われます。

それではこのように色褪せてしまったらどうすればよいのでしょうか?
何十万もかけてプロに塗り替えてもらったらよいでしょうか?
たとえ愛着のある車でも、ここまで色褪せているということはかなりの年月乗っていらっしゃって、そこまでお金をかけたくないという方も多いのではないでしょうか?

そんな時におすすめなのが、DIYでできるお車のオールペンです。



当店では内定式で毎年恒例、若手社員と内定者に向けた車の塗装研修をしています。
初心者でも2〜3人で作業してかかる日数は1日くらい、道具を入れても2万円ほどで車がオールペンできるとあって、人気の商品となっています。

車の色褪せでお悩みの方は、ぜひ当店までご相談ください。
 
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