誕生秘話『誰でも手軽に車の刷毛塗り全塗装』の塗料ができるまで


Starting 大人気商品の誕生秘話

今やタカラ塗料の看板商品ともいえる『車の刷毛塗り全塗装』の塗料。
今までは車の塗装を素人が行うのはかなり難しく、業者に頼むことが普通とされていました。
業者に頼めば仕上がりこそいいものの、値段がかなり張るため、気軽に車を模様替えなんてことは出来なかったことでした。
そんな中、ありえないとされていた「誰でも」「低価格で」「手軽にDIY」を叶えた車の塗料をどのようにして開発するに至ったのか。
今回は、当店大人気塗料商品の誕生秘話をレポートしていこうと思います。


【1つの疑問から始まった商品誕生の原点】

タカラ塗料は今でこそヨーロッパ調のおしゃれな外観に、おしゃれな社用車の塗料販売店ですが、
現在外観

2016年以前はこんな感じでした。
以前外観

真っ白の壁に看板が取り付けてある建物と、よく見る真っ白の社用車でした。
社用車は当時も主にお客様への配達の際に使っていましたが、その時ふと当店の代表大野は思いました。

白いワンブックス

「色を扱う仕事の塗料屋さんが、果たして真っ白の車でお客様のところへ配達しに行っていいものなのか。『塗料販売店なのに真っ白な車なんだ』とお客様が感じれば、そんなところから塗料を買いたい!と果たして思うだろうか?」

この1つの疑問をきっかけに、大野の頭には「車の色を変えたい」という考えが芽生え、のちに商品誕生に繋がることになります。


【商品誕生に繋がった3つの出来事】

●その1. 近所の自動車屋の先輩社長の言葉●


車の色を変えようと思い立ったはいいものの、当時”車の塗り替え=業者に頼む”が普通だったため、当初は業者に頼んで全塗装してもらおうと考えました。

しかし業者に頼めば安くても15万かかるため、「こんなに費用をかけて、果たして利益が取れるだけの効果があるのだろうか...」と悩んでいました。

そんな時、近所の自動車屋の社長に相談をすると、

「そんなん塗料屋やねんから自分でぬりーや!」

と軽く言われ、ハッとしました。
確かに、お客様の目に触れる社用車を自分で塗ったということが出来れば、お客様も納得して購入して頂けるかも、と感じました。


●その2. 鉄道博物館で見た●SL

休日にいった京都の鉄道博物館で見たSLが大きなヒントになりました。
SL

SLは長年にわたって人々を乗せ走り続けた乗り物なので、その分メンテナンスも沢山されてきているわけですよね。

SLを眺めていると、何度も塗り重ねられた塗料で表面がごつごつしていて、走行中発生する熱によって艶がなくなり、それがまたSLのかっこよさの1つなんだと気がつきました。

そして、「こんな風に車もメンテナンスが自分でできて、ごつごつになるまで塗り続けられたらかっこいいかも」と思いました。

これが「自分で塗る」「艶消しの魅力」というヒントにつながった出来事でした。


●その3. 軽トラを実験に使ってもいいという奇特な人がいた●

軽トラ白

SLを見て一度艶消しで車を塗ってみたいと考えていたところに、おしゃれな工務店藏家(くらや)さんが、

「うちの軽トラで実験してもいいで ぼこぼこやし、車検で捨てるし」

と言ってくれました。
実は彼自身も車の全塗装で色を塗り替えることに興味があったのです。

それならぜひ塗ってみようと、早速日程を決めました。
実験とはいえど、いきなり車体に塗るのは怖いので、前に乗っていた車の部品に塗って本番に備えました。

【初めて車を全塗装した日】

いよいよ実験台の車体に塗装する日、車を提供してくれた藏家(くらや)さんを含む複数人で作業しました。

軽トラ塗装中

みんなもちろん車の全塗装は初めてだったので正解も分からなかったし完成の出来栄えがどうなるのかも、検討がつきませんでした。

色は「ローデシアブラウン」に決定。トラックの所有者である藏家(くらや)さんが選びました。
ローデシアブラウンの色味はスズキ自動車の60年代の見本色から再現。さらにSLのようなかっこよさが出るよう、塗料を艶消しにアレンジしました。


手探りで塗装し、完成したのがこちら。
桜の木の下の軽トラ

ボロボロで味気のない白の軽トラが、新品のように大変身。
車を全塗装したことがない人たちが塗ったとは思えないほどの、想像以上の完成度でした。

今写真で見ても、艶消しのローデシアブラウンがとてもいい味を出していて、桜の木の下で心なしか軽トラが生き生きしているように感じます。

さっそくこの塗装事例をブログで紹介したところ、そのブログを見たお客様や友人から「自分の車も塗装してみたいから塗料を売ってほしい!」との声が多数上がりました。


【会社の顔である社用車の大規模改造・塗り替えに】

軽トラの全塗装で予想以上の完成度と周囲からの反響で、ずっと渋っていた社用車の塗り替えに踏み切ることにしました。

しかし、ただ軽トラを塗り替えただけでは面白くないと思い、会社の顔となる社用車の『顔』も思い切って張り替えることにしました。

社用車の顔

こちらの顔、なんと38万円。
軽トラを塗り替える前は、業者に塗装してもらう費用の15万円で渋っていましたが、
車の全塗装に対する興味と熱がより一層強くなり、お客様の目に触れるこの社用車を大幅な投資対象にすることにしました。

さらに、車の色味やデザインもデザイナーさんに依頼しました。

デザイナー図
色の配置や文字をどこに入れるかなど、デザインのプロにお金を払って頼みました。

万全の体制で、社用車の大改造を始めました。
フロント、サイド、リヤバンパーなどを交換し、車内も塗装しました。

外された顔と新しい顔
内装塗装

メンバーは、藏家(くらや)さんの軽トラを塗装した時のメンバーが再び集結し塗装しました。

社用車塗装中

仕事の合間を縫って少しずつ作業を進め、夜も時間があれば手元ライトをつけて作業しました。

暗闇の中車塗装中


手間隙かけて完成した社用車がこちら。
完成した社用車

ツートン、パーツ交換、内装塗装など多数の工程と、仕事の合間を縫って作業してこともあり、完成まで2か月かかりました。

現在、当店のオリジナルカラー商品のラインナップにある、オリーブカーキとグレイッシュダークグリーンはこの社用車を塗る時に調合して作りました。ちなみに車内の色はサンドカーキ、ホイールはラストカラーという色です。

完成した車の中

派手ではないですが、存在感があり、世界で1つだけの社用車が完成しました。

デモカーの詳しい塗装方法はこちらからご覧頂けます。

この社用車が車の刷毛塗り全塗装のデモカーとなり、配達にいった際お客様に「初めてでもこんなにキレイに自分で塗れた」と説明できるようになりました。


それ以降車用塗料を商品化、「刷毛ローラーで車をDIYで刷毛塗り全塗装しよう!」の当ホームページを立ち上げ、正式に『車をDIYで刷毛塗り全塗装できる塗料』を販売開始したのです。


【現在】

いろんな事例

この車用塗料の発売により、気軽に車の色を塗り替えることが出来ると話題になり、
2021年1月時点で約28,210台分以上の車用塗料を販売してきました。

最初は事例も少なく、「塗ってみたいけど本当に初心者がきれいに塗装できるのか?」とのお問い合わせがかなりありましたが、今や全国から塗装事例が届き、家族や友人で塗装している事例や社用車、学校のバスを協力して塗った事例など、たくさんのお客様に車の塗装を楽しんでもらえるようになりました。

いろんな色の社用車

タカラ塗料のデモカーも現在までにいろんな色に塗り替え、タカラ塗料の象徴となっています。

内定式2020
内定式2021

新しいスタッフも一気に増え、新卒の内定式では社員や代表大野の車を全塗装するというタカラ塗料らしい粋な取り組みもしています。

内定式2020のユーガの塗装レポートはこちらからご覧頂けます。

内定式2021のムーヴの塗装レポートはこちらからご覧頂けます。

CMU

最近は、全国から寄せられた事例の中からチャンピオンを決めるコンテスト、カーメイクアップコンテストも開催するようになりました。
今年も開催するので、どんな素敵な塗装事例を見ることが出来るのか、とても楽しみです。


以上がタカラ塗料の『車をDIYで刷毛塗り全塗装できる塗料』の誕生秘話でした。

これからも、全国のたくさんの方が車を楽しく塗装し、イベントのように家族と楽しんだり、社員の方々と協力して塗装することで仲が深まったり、塗装した車でいろんな場所へ出かけたり、当店の塗料がそんな思い出のきっかけになれれば幸いです。


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