暑い季節に塗る方へ
暑い時期に塗装すると、塗料の乾燥が早すぎて刷毛やローラーの跡が残ったり、塗装面がボコボコになる「
ゆず肌」になってしまうことがあります。
さらに、2液ウレタンの場合は塗料が糸を引いて固まってしまう「
糸引き」、ラッカーの場合は塗料の膜が白っぽくなってしまう「
ブラッシング」というトラブルが起こる場合があります。
6月〜10月の暑い季節に全塗装をしようとお考えの方は、塗装の失敗をなくすために必ず対策を行って下さい。
真夏のトラブル「ゆず肌」の詳細はこちら>>
■ 基本的な対策方法
1)車を冷やす
当たり前のように思えるかもしれませんが、表面が触れないほど車体が熱くなっている状態で塗装すると、塗料がすぐに乾いてしまい、刷毛やローラーのムラがそのまま残ってしまいます。
そのため、塗装前はなるべく車を日陰に置くなどして、表面温度を下げておいてください。
車体に水をかけて冷やすのはおすすめしません。完全に乾かない状態で塗装を始めると、塗料と水が混ざってしまう可能性があります。
さらに、マスキングテープがうまく貼り付かなくなったり、思わぬところから水が出てきて、特に油性系の塗料はトラブルにつながってしまいます。
どうしても水をかける場合は、ドアの隙間なども含め、しっかりと水分を拭き取るようにしてください。
2)日陰で塗装する
塗装するときも日陰で作業することをおすすめします。
屋根のある場所が理想ですが、建物の影などで直射日光を避けられる場所もベターです。
また、晴天の日よりも、直射日光の少ない「曇りの日」のほうが塗装するには良いです。
3)シンナーや水で少し多めに塗料を薄める
塗料を少し薄めにしておくことで、乾燥時間を遅らせることができ失敗を防げます。
シンナーや水よりさらに乾燥を遅らせることができる「リターダー」や「バランサー」といった専用の希釈剤の使用を強くおすすめします。
4)塗装中も塗料の粘度が上がっていないか注意する
塗装中、容器の中の塗料が風や直射日光の影響で粘度を増してしまうことがあります。
また、表面だけが乾いて薄い膜ができてしまうこともあるので、よくかき混ぜながら塗装するようにしてください。
休憩などで塗装を一時中断するときは、塗料の入った容器に必ずラップなどをかけて乾燥を防ぐようにしてください。
5)塗装中に塗料をこまめにかき混ぜる
塗料を多く薄めると、塗料の成分(色の顔料やつや消し剤)が沈殿(ちんでん)しやすくなります。
そのため、塗装中はローラーや刷毛を使って、こまめにかき混ぜながら塗るようにしてください。
■ 塗料に応じた対応策
Aqueous 〜水性塗料〜

乾燥が早いからと言って水で薄めすぎるとムラができたり、塗料がボディーにうまくのらなかったりします。「バランサー」を水の代わりにうすめ液としてつかうと、これらの失敗を減らすことが出来ます。
▼バランサーについて
特徴 |
水性塗料の希釈液(うすめ液)として使っていただけます。
最大40%まで薄めることができ、水で薄めた時と比べて乾燥が遅くなります。
夏場の暑い時期での塗装で、乾燥が早すぎて刷毛・ローラーの跡が残ってしまったり、垂れた塗料の跡が残ってしまう場合にこちらのバランサーをうすめ液として使用していただくと、乾燥が遅くなり跡が残るのを防ぐ効果が期待できます。
また、吹付塗装では、水で薄め過ぎた場合、表面張力で弾いてしまい、ボディーに塗料がうまく乗らない事がありましたが、こちらの「バランサー」を使用することにより塗料の粘度が増すため、ボディーへの塗料のりが良くなります。
分散性が良く、水で薄めた時に比べてムラが出にくいです。
無色透明です。
※バランサーを使って塗装した場合、2日ぐらいは車を雨に当てないようにしてください。 |
使用方法 |
水の代わりにうすめ液として使います。刷毛塗り、吹付の場合問わず、うすめ率最大40%まで薄めることが可能です。
例:塗料3kgに対して1.2kg(L) |
さらに詳しくはこちら>>>
Lacquer 〜ラッカー〜

ラッカーは超速乾性の塗料です。
真夏など30℃を超えると、刷毛塗りの場合でも吹き付けの場合でも塗装が著しく困難になります。
ラッカー塗料用の乾燥遅延剤「ラッカーリターダー」を添加すると、乾燥を遅らせることができ、トラブルを防げます。
■ ラッカーリターダーとは?
特徴
塗料に5%〜20%添加すると、乾燥時間が遅くなり塗りやすくなります。
こんな場合に添加してください。
吹き付け(ガン吹き)の場合
・適正な量のシンナーを入れて希釈しているのに、ガンからは出るが粉のようになり塗装したいものに色がつかない。
・塗装したいものに色がつくが、艶が出ず、粉っぽい。または塗膜の肌に凹凸がある。
・雨天時など湿度がある場合。
刷毛塗りの場合
・刷毛やローラーを往復しただけで刷毛などが引っ付くような感じがある。
・刷毛目やローラー目が著しく目立つ。
・雨天時など湿度がある場合。
おおよその必要量
真夏の場合、使用するシンナーに対して1割ぐらいの量があれば安心です。
■ リターダーシンナーの使い方
1、まず商品のラベル通りに塗料を薄めてください。
※ラッカーの場合 ラッカーシンナー希釈
刷毛・ローラーの場合 80〜100%
吹付けの場合 100〜120%
2、一度塗ってみて下記の症状が出たら、5%ぐらい添加する。
・刷毛の滑りが悪く、ひっつく感じがする
・ローラーを転がすと、引っ張られるような感じや糸を引く
・吹き付けした場合、出た塗料が糸状になったり、粉っぽくなる
・明らかに白っぽく乾く
・艶が出るはずなのに全く出ない
・艶にムラがある
・乾きが早すぎて塗りにくい
上記の症状が出る条件は高温時、もしくは多湿時になります。
3、上記5%添加しても改善しない場合、さらに5%足してみてください。
※シンナーのみのご注文はお断りしております!塗料と一緒にご注文ください。
4:1Urethane 〜2液ウレタン〜

2液ウレタンはラッカー同様、超速乾性の塗料です。
真夏など30℃を超えると、刷毛塗りの場合でも吹き付けの場合でも塗装が著しく困難になります。
2液ウレタン塗料用の乾燥遅延剤「ウレタンリターダー」を添加すると、乾燥を遅らせることができ、トラブルを防げます。
■ ウレタンリターダーとは?
特徴
塗料に5%〜20%添加すると、乾燥時間が遅くなり、塗りやすくなります。
こんな場合に添加してください。
吹き付け(ガン吹き)の場合
・適正な量シンナーを入れて希釈しているのに、ガンからは出るが粉のようになり塗装したいものに色がつかない。
・塗装したいものに色がつくが、艶が出ず、粉っぽい。または塗膜の肌に凹凸がある。
・雨天時など湿度がある場合。
刷毛塗りの場合
・刷毛やローラーを往復しただけで刷毛などが引っ付くような感じがある。
・刷毛目やローラー目が著しく目立つ。
・雨天時など湿度がある場合。
おおよその必要量
真夏の場合使用するシンナーに対して1割ぐらいの量があれば安心です。
※シンナーのみのご注文はお断りしております!塗料と一緒にご注文ください。
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