クリアはげでボロボロになってしまったミニの塗装レポート!

お盆休みにボンネットの塗装がぼろぼろのミニを塗りました

タカラ塗料代表の大野です。
車の塗装初心者のご夫婦に真夏に刷毛とローラーでDIY全塗装をしてもらったらどんなところで躓くのか?というところを中心にレポートしていこうと思います。

友人のK夫婦のミニは3〜4年前よりボンネットを中心にクリアが剥げてきていて、いつか刷毛塗り全塗装を試してみたいと画策されておりました。
このコロナ禍のお盆休み中に塗るのを決心され、僕もお手伝いさせていただきました。
刷毛塗り全塗装を始めるときに会社の車をデモカーにしたのですが、それもお盆休みに行ったのでなかなか懐かしいものがありました。
しかし年々暑くなっているのかこの日の気温は38℃に達するという予報。中東並みの気温の中、しっかりと熱中症対策を行いながら塗装していきます。

さて車を実際に見てみるとクリアはげがとてもひどい。
12年落ちらしいのですが、典型的な塗膜の劣化です。

クリア剥げのミニ

塗装前に夫婦2人でぺりぺりと剥がせるところは剥がせるだけ剥がしてきてくれたみたいなのですが、見る限りもっと剥がれそうでした。
ですのでその辺の下処理も含めて行っていきました。
 

まずはマスキング

車体全体を紙やすりでやすりがけしていかなければならないのですが、塗らないところ、特に樹脂ガラスのところなどをやすりがけしてしまうと取り返しがつかないので、まずはマスキングテープで覆っていってもらいます。

マスキングテープで覆う

マスカーで覆う
まずマスキングテープを細かいところにしっかりと貼っていき、その後ビニールがくっついた「布マスカー」という便利なアイテムで窓などを覆っていきます。
その布マスカーが熱中症対策で回していた扇風機や冷風機の風でなびいてしまって貼りにくい!
さらにこの車のチャームポイントである黒の樹脂部分は塗らないという判断なので、小さい車ながらマスキングする部分が多くてちょっと時間がかかってしまいました。

またマスキング作業自体も慣れた人と慣れていない人とではかかる時間の差がやっぱりあります。
初めての方はしっかりと時間を取るほうが良いでしょう。

エンブレムをマスキングする
一番時間がかかったこだわりのCOOPER部分。
 

クリア剥げとの戦い

クリア剥げの部分はできるだけ落として、クリアの段を解消してから塗ってください、と指導しています。
言葉で書けば簡単なのですが、これがまあ大変です。

まずなぜクリアが剥げてくるのでしょうか?

基本的にはクリアは樹脂が100%の塗料の膜で、太陽光線には強い塗料です。
しかしクリアの下の色がついている層は色の種類により弱い場合があります。特に濃色、その中でも特に赤い色が太陽光線に弱く、分解して粉化してしまいます。
ガードレールを触ったときに手が真っ白になりますよね?あの状態です。
専門用語で「チョーキング」と言います。チョーキングしていると塗料としてはもう寿命です。
その層が粉化すると引っ付いている力が少なくなり、クリアが剥がれてしまいます。
 
チョーキングしてクリアが剥がれてしまう

状態としては粉の上にフィルムのようにクリアが乗っているイメージです。
この上から塗ってしまうとクリアごと塗った塗料が剥がれてしまう恐れがあります。
塗料というのは乾くと少し縮むので、引っ付いてないクリアを引っ張ってしまい余計に剥がれる場合もあります。

チョーキング現象で粉が出ている
触ってみると赤い粉化した塗料が手につきます。
この粉も落とさなければなりません。

どうやってクリアを剥がすのかというと、今回はテープを使いました。
電動工具(サンダー)はあったのですが、ない設定でやっていこうと思いテープで剥がしていきます。
貼っては剥がし、貼っては剥がしを繰り返します。

テープでクリアを剥がしていく
どんどん剥がれます。
クリアがどんどん剥がれていく
そしてさらにクリアが浮き、剥がれてきます。

この車は普段はあまり乗らず、青空駐車で南に向いて停めていたそうです。
それが顕著にわかるのですが、ボンネットと西日の当たる運転席側のクリア剥げがひどかったです。いざ乗ろうとしたとき、都度クリア剥げが気になってしまい乗るたびに気が滅入っていたそうです。
 
車の置き場所


テープでさらにクリアを剥がしていく
地道にクリアを剥がしていきます。

さらにクリアが剥がれていく
どんどんテープを貼っては剥がしを繰り返しますが、テープがついになくなってしまいました。。

次にクリアがあるところとないところを触って、わかる段差を埋めていくべく手でやすりがけしていきます。
240番程度のサンドペーパーで手でやすりがけしていきますが、やすりがけすればするほどクリアが取れます。
クリアがまだ残っている

埒が明かないのでついにサンダーを導入することにしました。
240番の紙やすりをつけて削っていくと面白いように引っ付いていないクリアが取れて、段が消えていきます。
サンダーでやする
やや黄色く見えているところは下地のプライマーです。電動工具は削りすぎてしまうことがあります。あまり削りすぎるとこのプライマー層まで取れて金属部が露出してややこしいので、ほどほどに。
このサンダーも高いものではあません。1万円以下のものでした。この車のようにあまりにクリア剥げが広範囲にわたっている方には電動サンダーを使うことをおすすめします。
 

脱脂をしていよいよ塗装

紙やすりでやする
車体全体を600番の紙やすりで足付けして、ワックスオフで拭きとったらやっと塗装です。

色は世田谷ベースカラーを選択。塗料の種類は塗装するのが初めての方でも扱いやすい水性塗料。塗料の量はルーフを塗らないので2kgにしました。

ここまで、
9:20 〜 11:50 マスキング
13:12 〜 14:10 足付け
14:10 〜 14:20 脱脂
とだいぶ時間がかかっております。
通常2人で作業するなら午前中で脱脂ぐらいまで終わったりするのですが、この車の場合マスキングとクリア剥げ対処に時間がかかりました。
仕方がないです。

そしてもし初めての方だけで2人でやっていたら15時を前にやっと塗装しはじめて終わるのか?という疑念が生まれると思います。大丈夫です、終わります。
小さい車なので余計に大丈夫です。
ちなみにマスキングやらで15時ぐらいまでかかってしまったけど、17時には塗り終わったというお客様の話も聞きます。

塗装スタート

世田谷ベースカラーを塗る

本人談で
「疲れ始めた頃に塗り始めがスタートしました。
やっぱり色塗りは楽しくて、だんだんと変身していく愛車を見ていると疲れも忘れて夢中で塗っていました。」
というほど、塗り始めてからは楽しかったようです。
途中休憩も入れながらも1時間強で塗り終えてしまいました。

一度目塗りをする
 

塗り終えたらマスキング剥がし

マスキングを剥がす

やはり慣れていない2人のマスキングなので、マスキングを剥がしていくと塗れていないところや樹脂部分にはみ出してしまっているところも多数ありました。
そういうところを拾い塗りして、樹脂部分にはみ出しているところはワックスオフで拭き取りながら仕上げていきます。
それにちょっと時間かかって、剥がし始めてから1時間で完成。

塗装面

塗装完成

塗装完成前面

塗装完成後面

14:20 〜 16:30 塗装(途中休憩2回)
16:30 〜 17:28 マスキング剥がし&仕上げ
かかった時間としてはこんな感じです。
人数は夫婦2人+僕(0.5人分)です。

本人たちは大喜びで、こんなにきれいになるならもっと早く塗ればよかった!とやや後悔(?)しておりました。

たくさんこの車用の塗料を販売しております。全国でそんな声がたくさん出ているんだろうなと感じ、もっとたくさんの方に知ってほしいなと強く思いました。

最後にクリアの段をしっかりと取っていないとこうなるよ、の図。
段差が見える
わかりますかね?うっすら線が出てしまっています。
ボンネットはしっかりペーパーをかけれていたのですが、運転席のドア付近に一部段ができてしまっています。
段はしっかり取りましょう!


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クリア剥げの対処の仕方のページはこちら >>

ミニのクリア剥げ作業の様子YouTube動画はこちら


クリア剥げの対処法を解説したYouTube動画はこちら
 

 



暑い日に塗る


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