【車のDIY全塗装 失敗例②】塗料のタレ跡の対策とやり直しの方法

タカラ塗料の車用塗料で、刷毛とローラーでDIY全塗装されたお客様から、時折「塗装に失敗してしまった」というお声をいただくことがあります。

刷毛とローラーでのDIY全塗装で「失敗」と感じる理由は、ほとんどの場合以下の2つです。

  1. 塗装がムラになってしまった
  2. 塗料のタレ跡が残ってしまった

今回は「タレ跡」について、原因と対処法をご案内します。

「ムラ」についてはこちらをご覧ください。

刷毛とローラーでの全塗装ならタレ跡がすぐに修正できる

吹き付けで全塗装する場合、塗装中にタレができてもその場で修正することはできず、一度乾燥させてから研磨し、再塗装するしかありません。

一方、刷毛とローラーを使った全塗装なら、タレができた時点で刷毛やローラーでさっと伸ばせばすぐに修正が可能です。

このように、塗料が垂れてもすぐリカバリーできるのは、刷毛とローラーによる全塗装ならではの大きなメリットです。

タレはすぐに伸ばす!で失敗を防ぐ

タレに気づかず作業を進めるとそのままタレ跡になってしまう

タカラ塗料がおすすめしている刷毛とローラーを使った車の全塗装では、「薄くかすれるように重ね塗りする」ことを基本としています。

この塗り方を実現するには、塗料をサラサラになるまで薄める必要があります。
ただし、塗料を薄めるほど垂れやすくなるため、上の画像のようにタレが発生しやすくなるのです。

そこで大切なのは、タレを見つけたらすぐに刷毛やローラーで伸ばすこと
乾く前に対応すれば、仕上がりに影響はありません。

そのため、塗装中は常に塗装面をよく観察しながら作業を進めることがポイントです。

当店での社内研修「よく観察しながら塗っていってね」

また、フロントドア・ボンネット・ルーフなど、パーツごとに塗装するのも重要なポイントです。
いきなり車全体を一度に塗装するのではなく、小さな面ごとに区切って作業することでタレに気づきやすくなり、トラブルを防げます。

さらに、刷毛やローラーに塗料をつけすぎないことも大切です。
塗装中は垂れていなくても、乾燥中に塗料が下がってタレが出る場合があります。
容器のフチなどでローラーをしごき、余分な塗料を落としてから塗ることで、タレを防ぎやすくなります。

容器でローラーをしごいてタレを防ぐ

タレ跡ができてしまったらどうすればいい?やり直し方法について

当店では社内研修の一環として、刷毛とローラーを使った車の全塗装を定期的に行っていますが、ポイントを押さえていてもタレ跡ができてしまうことがあります。

「垂れたところが乾いてしまったら修正できないのでは?」と思われる方もいらっしゃいますが、実際には乾燥後でも以下の方法でやり直すことが可能です。

▼タレ跡の補修方法

1)サンドペーパーでやすりがけする

まずタレ跡の部分が完全に乾いていることを確認してください。
乾燥していたら600番程度のサンドペーパーを使い、タレ跡が平らになるまでやすりがけします。

2)やすりがけして出た削りカスを拭き取る

ウエスで削りカスをしっかりと拭き取ります。

3)薄く塗り直す

最初に塗装した時より塗料を薄めにするのがポイントです。また、刷毛で叩くように塗ると境目が目立ちません。「塗る→乾かす」を繰り返して周囲となじんだら完成です。

まとめ

できてしまったタレ跡も、やり直しが可能です。
そう考えると、タレ跡ができたからといって必ずしも「失敗」とは言えないかもしれません。

そして何より、DIYで刷毛とローラーを使って全塗装する最大の醍醐味は、自分の手で仕上げたからこそ得られる達成感と充実感にあります。

タレ跡を直しながら仕上げていく工程も、刷毛とローラーでのDIY全塗装ならではの体験です。
手をかけた分だけ仕上がりへの満足感が高まり、さらに愛着が湧くはずです。

▼補修の塗装のポイントは動画でもご覧いただけます。ぜひ参考になさってください。

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