<Q&A>艶消しの車は雨染みが気になる なぜなのか?

株式会社タカラ塗料の大野です。
今回はアンケートにていただきましたご質問にお答えします。

Q.艶消しの車は雨染みが気になる なぜなのか?

A.艶消し剤の影響です。

ちょっと今回は難し目に説明させていただこうと思います。

まず塗料の主成分の話をしますと、塗料は顔料と樹脂からできています。
樹脂というのはほぼ透明なもので、それに顔料が混ざって色が付いています。
顔料というのは色を付ける「着色顔料」と、粘度を上げたり他の機能を持たせたりする「体質顔料」に分けられます。

艶を消す場合、この「体質顔料」の一種である艶消し剤を大量に塗料に入れることになります。
この体質顔料も種類があるのですが、やや多孔質の成分だと思ってください。

この艶消し剤をたくさん入れると、塗料が乾いていくにつれて水やシンナーが蒸発していき、塗料の膜の厚みが薄くなります。その時に艶消し剤が塗料の膜の表面に凹凸を作ります。
その凹凸で光が乱反射して艶感がなくなるのです。

さてこの多孔質の艶消し剤が表面にある状態で雨染みなどの汚れが入り込んだ場合、樹脂部分についた汚れは落ちるのですが、艶消し剤の多孔質の中に入り込んだ汚れはそのまま出てこられなくなります。

ホワイトボードを想像してもらったらわかると思うのですが、艶消しのホワイトボードはありませんよね?これも同じで、艶消しのホワイトボードを作るとホワイトボードのマーカーのインクが多孔質の艶消し剤の中に入り込み取れなくなってしまうので、艶消しのホワイトボードというものは作れないのです。

ということで艶消しの塗膜の雨染みは取れにくいのです。。

ただタカラ塗料としましても雨染みが付きにくい艶消しの車用の艶消し剤や、そもそも汚れが付きにくい艶消し剤などの検討もしていきます。(気長にお待ちいただければと思います。。)

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