タカラ塗料の大野です。
新色アンケートのときに、特に多くいただいたこちらのご質問です。
Q.刷毛やローラーで塗れる艶有りの塗料が欲しい
A.ごめんなさい、やっぱり無理です。。
現在の技術では刷毛やローラーで塗ってきれいになる艶有りは難しいです。
ちょっとマニアックに説明します。
刷毛やローラーで塗ると凹凸ができます。その凹凸の大きさは塗り終わって乾燥した後、指で触ると感じることができるレベルの大きさです。艶有り塗料で塗るとその凸凹をしっかりと拾い、覗き込んで自分の顔を映すと自分の顔にモザイクがかかったように見えます。
これが艶消し塗料だと、そもそも顔が映りこまないので凸凹は気にならないのです。
よくある質問で、その凸凹を平らに削ってコンパウンドをかけて磨けばツヤツヤになるのではないか、といわれます。
たしかに原理的にはできなくもないです。現に家具やピアノを塗る際には「たんぽ塗り」という方法を取るのですが、何度も塗っては乾かして削りを繰り返し、最終的にツヤツヤに仕上げるという方法です。
では車も同じ方法で塗ればツヤツヤにできるのでは?と考えるのですが、家具類と車が違うのは、家具は基本的に平面が多く、車は曲面が多いので磨く難易度に差があります。
平面の場合は当て板をしながらまんべんなく削ればいいのですが、曲面の場合は当て板をして削ると曲面の頂点の部分に点で当て板が接するので、削りすぎてしまう場合があります。
そうならないように慎重に削る必要があるのですが、手で車全体を均等に磨いて、刷毛やローラー塗りでついた凹凸もすべて平らにするというのは、よほどの職人でなければ難しいといったところです。
また刷毛やローラーでついた凸凹が表面張力で平らになるように粘度を調整できればいいのでは?という考えもありますが、塗料は粘度を下げるとたれやすくなります。絶妙に均等について、たれるまでに乾く、という無理難題があるのです。。
とまあ無理な理由を書きましたが、もしかしたら!もしかしたら!そのような技術ができるやもしれません。その際は車を塗れるようにいたしますので、もしできたらまたお知らせいたします。