なぜ車の色褪せが起こる?色褪せが起きたら? その3 黒は無機なのに色あせする?

タカラ塗料代表の大野です。

今回も前回に引き継いで色あせについて書きます。

前回の記事

さて、前回は無機顔料より有機顔料が色あせしやすいと書きましたが、黒は無機顔料なのに色あせが起こりやすいといわれています。
その原因は「黒は紫外線や赤外線を吸収しやすいから」です。

ほかの色は反射がある程度あるのですが、黒は光を吸収するので黒いのです。ですので他の色よりも劣化が早くなる傾向があります。

さらに光を吸収するので熱くなりやすい、というのも遠因としてでてきます。
熱を蓄えやすいので熱くなったり冷めたりを繰り返します。それも顔料の劣化、さらには樹脂の劣化も早め、褪色やクリアはげの原因にもなります。

はい、ここまで来たところで、この色褪せ記事の冒頭に出てきたお写真です。

こちらの車の色褪せ、なんかツートンカラーかというふうにパキっと色分けされている部分とグラデーションになってしまっているところがありますよね。なぜこうなってしまったのか、考えてみることにしましょう。

まずは天井とボンネット。ほとんどシルバーになってしまっています。
こちらのお車はもとは赤っぽいメタリックだと思うのですが、見事にシルバーになり、さらにクリアはげも出てきています。
これは天井とボンネットは太陽光が当たる率がが高く、仕方がないと言えばそうなのですが、赤メタリックの赤(有機顔料)がなくなってしまい、シルバー(無機顔料)だけになってしまっているのです。

さらにボンネットはエンジン自体の熱もよくあたるので余計に劣化が早くなります。

バンパー部分とフェンダー部分にも注目してみると、これも面白いことになっています。

これはなぜでしょうか?
引っ張りますがつづきます。

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